トレタがPOSレジと繋がる日
本日、ご縁があってトレタ本社で行われた記者会見にご招待いただきました。
僕は記者でもブロガーでもないのに、なんで招待されたのか今ひとつピンと来ませんでしたし、会場での場違い感はかなりのモノでしたが、、、(汗
今回の発表内容はコレ。
POSレジとトレタが正式にデータ連係するようになる、と言う事ですね。
つまり予約台帳と、顧客台帳とレジ。これらがそれぞれのデータを使えるようになる、と言う事です。
厳密には「連携出来る環境を整えた」と言う事のようですね。
記者会見の具体的な内容などに関しては記者会見にいらっしゃったホンモノの記者の方々にお任せします。
飲食店の救世主!「トレタPOSコネクト」は追加業務なく接客向上に寄与し、常連を生み出す魔法のツール : め〜んずスタジオ
ニュース - 飲食店向けITのトレタが外部連携API「POSコネクト」、NECなどが対応:ITpro
ASCII.jp:飲食店のクラウド予約台帳トレタが、NECなどPOSシステム5社とデータ連携
公式連携を発表した企業様からもリリースされていますね。
スマレジ・ウェイターが飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」と連携します | スマレジ・ウェイター - 飲食店向けオーダーアプリ
僕は記者でもブロガーでもありません。
そんな僕がなぜ今回の記者会見に呼ばれたか。飲食店の立場からみた今回の発表に対する感想を求められている。そう考えたので、プロの方とは違う切り口で思った事を書かせて貰おうかと思います。
ですから不慣れなりに何枚か撮った写真は封印して、文字だけで思うままに書き倒したいと思います。
興奮しているのでダラダラと長くなるかと思いますがご興味のある方はお読みいただければと思います。
僕は昨年の5月にこんな記事を書いています。
この冒頭で書いている
「今使っているPOSレジが期待していた、予想していた進化をしないであろう、と判断した」
後半には
「ホールに立つスタッフたちのサポートがしたかったのです」
とも書いています。
期待していた進化と言うのはまさにこの部分でした。
この時に交換した、今使っているレジの1つ前のレジを導入したのは6年前。
6年前からこんな事を夢見ていました。
(当時はトレタは存在しなかったのですが違う形で似たような環境が整うのではないかと予想していました。その辺に関してはまた次回にでも)
そんな僕が今回の発表を受けてワクワクしないはずがありません。
今回の連携が意味する事。
記者会見が終わり、通常業務に戻りながらずっとそれを考えていました。
トレタとPOSレジが連携すると。予約の電話を受けながらその人のそれまでの来店履歴を見て、どんな飲み物が好きなのか、なにか特別な事はなかったか、なんて事がわかるんですね。
「前回はこれをお召し上がりになっていましたね。今回もたっぷり準備しておきますね♪」
「お。店長僕のこと覚えてくれてたんだ!」とお客様の満足度も上がる。
ただし。
これ、飲食店は何十年も前からやってます。
なにも珍しいことではありません。皆さんの行きつけのお店の大将もやっているでしょう。
「あら毎度です!この前はありがとうございました。お連れさん喜んでくれてましたか?」
「おー〇〇さん!ご無沙汰じゃないですかーwどっか転勤にでもなっちゃったのかと思ってましたよ!」
なんてやってくれませんか?
それらのサービス、接客はどのようにして行われていたか。
店長やスタッフ。それぞれのアタマの中の記憶を頼りに行われていたんですね。
マメな店長はノートに取っていたかも知れません。
でもそれらは多くの場合全て店長の中で完結しています。
その店長がやめてしまったら、そのお客さんのデータはお店から消えてしまうのです。そのバイトのスタッフがやめてしまったら、、、、。
店長が違う店舗に異動になってしまったら、、、。
全ておシャカになるのです。またゼロからスタートです。
たまたまその日、店長が休みだったら、、、予約を受けたのが店長以外だったら、、、たまたたお得意さんが違う支店に来たら、、、。誰もお得意さんだと気づきません。
追記:ウチの社員は週休1日です。人が足りないと言うのも大きな理由ですが、店長がいない日にお得意さんが来店した時。お客さんをがっかりさせてはいけない、と言う社長、専務の意向が一番の理由です。
また、人の記憶だけでは2回目の来店でぱっと思い出して対応出来る、なんて言うのには限界があります。何度かの来店でようやく気づく、と言う事が大半です。
つまりこれまでは全て人に依存していたんですね。顔を覚えるのが得意なスタッフ。
マメにメモを取るスタッフ。データはそれぞれのアタマの中(もしくはそれぞれのノート)にありました。
究極論ですが、トレタはそれらの情報をそれぞれのスタッフの中から外に出し、他のスタッフ、他の店舗と共有する事を可能にします。
人依存から店依存への移行です。言い換えれば特定のスタッフへの依存から全スタッフへの依存になる。
もちろん完全に移行出来るなんて事はありません。そもそも完全に移行する必要なんてない。店長やスタッフの人柄やキャラクターに魅力を感じ、お店に来てくれる方も沢山いらっしゃいます。それはそれで素晴らしい事です。
その気持ちの何割かをお店の方にスイッチ出来ればいいのです。
そのスタッフがいなくなるとお店に来なくなる、そんな状況は店長冥利に尽きますが、お店全体の事を考えると決して良い状態ではありませんよね。
このお店はみんなが自分の事を覚えてくれている。そんな感覚が心地よいと思うのです。
トレタだけでもかなりのレベルでそれが実現可能なポテンシャルを思ったツールです。
それにPOSレジが繋がることで、店長のアタマの中だけではなく、レジの中身も外に引きずり出してしまおう、と言う事です。
お会計金額やこれまでにどんなモノを食べ、飲んできたか、なんてことまでスタッフ誰でも把握することが出来る。
また、通常トレタは(トレタがインストールされている端末は)店舗に1台か2台でしょう。
トレタがPOSレジと連携する、と言う事はスタッフが持つハンディ端末にトレタの情報(の一部)が繋がる、と言う事です。
つまりトレタに入っている予約情報、顧客情報をハンディ端末をもつスタッフ全員が共有出来る。
予約時やその後のフォローではPOSデータとの連携が武器になりますが、営業中はここです。
これが先ほど書いた「全スタッフへの依存」に繋がるのではないでしょうか。
全員がご予約の方の名前がわかる。それだけでも凄まじいインパクトです。
お名前がわかるとスタッフのアタマの中にも変化があります。
「お客さん」と言う一般名詞のような意識から「〇〇さん」という固有名詞へと意識が切り替わるんですね。
毎日多くのお客さんをお迎えしているわけですからどうしても「お客さん」とひとくくりにしてしまうもんです。
名前がわかるとその気持ちが変わります。それが言葉遣いや行動、色んな所に出るようになる。
ハンディ端末を使っていないお店だとしても。トレタではなくレジに触れるだけでそのテーブルの方のお名前がわかる。
お会計時には「〇〇さん今日はありがとうございました」と言えるワケです。
もちろん予約の段階で店長が把握し切れていなかった隠れた常連さんが発掘出来る、等というデジタルデータならではの部分もたくさんあります。これも素晴らしい。
それがトレタとPOSレジが連携することで予約の段階で再来店である事がわかり、その時の内容までわかる。
お客さんは「お!?」
となりますし、スタッフ側はお客さんの「お!?」を感じて特別に扱いたくなる。
夢は広がります。
とはいえまだ具体的な連携の姿は見えていません。
でも例えば。
Aさんから電話予約が入ってトレタに入力したとします。
・その段階でその方が再来店である事がわかり、それまでの来店履歴やその内容を踏まえて対応が出来る。
・当日、そのデータがPOSへ飛び、POSレジやそれに繋がっているハンディ端末の画面でその日の予約一覧が確認出来る。
・トレタでは配席もしてあるので、予約の時間の30分前になると「0:00〜〇卓 〇名 A様ご来店」と言うアラートが出て、全スタッフがもうすぐA様のご来店の時間だと知ることが出来、準備する事が出来る。
一緒に注意点とか色々なメモなんかも見られるのかも知れません。
会社の名前、同じ会社の人の名前、今月誕生日など。
・オーダーを受ける際、〇卓と選択すると「A様」と名前が出る。
・Aさんがこれまでの来店で注文したことがある商品はボタンの色が変わる
ちょっと考えるだけでも様々な事がアタマに浮かびます。
2つ目なんかを考えると厨房にも1台タブレットなりハンディ端末が欲しくなりますね。
厨房が「あ!そろそろA様の予約の時間だからここまで準備しておこう。Aさんはこれが苦手なのか。入れないようにしないと。」なんてなるかも知れません。
、、、書いてるだけでワクワクしてきますw
素人の僕でもコレですから、もっと様々な方法で情報共有のサポートがされていくんじゃ無いかと思います。
繰り返しになりますが、凄いのはこれを店長がいなくても。店長が替わっても。
予約を受けたのが店長じゃなくても。さらには違う店舗でも。その店舗全スタッフが共有出来ると言う事。
ついにこんな世界がやってきたのか、と感じます。
話は変わります。
40年前。
ウチのお店が今の業態になりました。当時は当然1店舗のみ。
当時としては珍しいお店でたいそう繁盛したそうです。
社長曰く、40年前は飲食店に列が出来るなんて事はなかった。ウチが元祖行列が出来る店だった、と笑
そんな中、2店舗目の話が出ますが、専務は2店舗目の出店に反対だったそうです。
なぜかと言うと。今お店に来てくれているお客さんは料理もさることながら社長なり専務という人と繋がっている。ところが店舗を増やすと二人がいない店が出来る。
その店が繁盛するわけは無い、という理由。
そのしばらく後、2店舗目を出店しました。
お得意さんがどちらの店舗に来てくれたとしても顔を見に行くことが出来る距離に店を作る、と言う形で人の繋がりを維持したのです。
二人はエプロンをしたまま行ったり来たりしていたそうです。
二人にとって2店舗目は店舗を増やすと言うよりもはお店を拡張する感覚だったそうです。
席が足りなかったから増やした、という。
結果、ウチのお店は3店舗とも青山通り沿い。距離にして1キロ圏内に同業態で3店舗、と言う変則的な状態で今に至ります。
つまり40年前からウチの社長、専務は複数店舗でのお得意様管理を重視していたという事です。お客様が人と繋がっている、と言う事を重要だと位置づけていたのです。
社長、専務のスピリットは今でも生きていて、3店舗ともママチャリ常備。あるお店に違う店舗のお得意様が来ると店長は時間を見つけてチャリンコに飛び乗り挨拶に向かいます。
僕は店舗にいない時間が増えたので、知り合いの方がご来店下さった時はどこにいたとしても出来るだけご挨拶にうかがえるようバイクの免許をとりました。
僕たちはこの3店舗を「大きな1店舗」と考えている、と言う事ですね。
この意識が入れ替わりの早い青山で50年(今の業態になる前に10年商売をしていました)、なんとか生き残っている理由のひとつなんじゃないかと思っています。
つまり、トレタとPOSレジ。これらが担うのは、僕たちのお店の根幹に関わる部分なのです。
「大きな1店舗」である事を手助けしてくれると考えています。
、、、やっぱりぐたぐたになってしまいましたね(苦笑
募る話はまだありますが、(予想通り)長くなったので続きはまた近日。