飲食店をやってます。

美味いモノ作って売ってりゃ客は来るし儲かる。そんな時代はとっくにおわりました。お店を運営していく中で思っている事を書いています。たまに全然関係ない事も書きます。笑

新入社員がやってきた。



つい先日から新しい社員が入ってくれました。
新しい社員なんて何年ぶりでしょうかw

昨年の秋頃から少しずつ話を進め、ようやく入社の運びとなりました。
今は本店で店長の根津とコンビを組んで頑張ってくれています。名前を田中健太といいます。

また、僕個人として、健太が入社する事に特別な感情がありました。

実は彼。いわゆる出もどり。
昔、うちで働いてくれていた人間なのです。といっても彼が働いていたのは約18年前。
18歳の頃です。彼の若さ故の未熟さもさる事ながら、当時のひごの屋は新人を受け入れる体制が整っていませんでした。
いわゆる古き悪習と言いますか。かつての飲食店にありがちな、いびり倒すようなやり方で彼に接し、結果として彼は短い期間でひごの屋を去る事になりました。(と聞いています)

当時の僕はといえば、アサヒビールにお世話になっていて東京にはいなかったんですね。
東京に戻った時に店で会い、二言三言喋った記憶はありますがそれだけでした。

僕は大学の時もひごの屋アルバイトをしていたので、ひごの屋から抜けたのはアサヒビールにお世話になっていた約4年間だけなのですが、彼はその間に入社し、僕が戻る頃にはもういませんでした。

ほとんど話した事がない彼の復帰になぜ思い入れがあるのかと言いますと。

実は彼のお父さんはひごの屋(当時は肥後ばっ天と言う店名でした)の創業メンバーなのです。
約40年前。両親がひごの屋(当時の店名は「肥後ばっ天」)を創業しました。
父と共に店を支え、今の基板を作ったのが彼の父親なのです。

当時彼のお父さんはスーパー店長と呼ばれ、お客さんにも社内にもファンが多い存在でした。

さらに。僕の父は始めたばかりの店に精も根も使い果たし、休みの日には一日中カラダを休めていたため僕は父と遊んだ記憶がほとんどありません。

そんな僕をあちこちに連れ回してくれたのが彼のお父さんなのです。

僕より5つくらい年下の健太は当時まだちっちゃくて、お姉さんと僕が同世代。
3人を連れて公園や遊園地、プール、色んな所に連れて行って貰いました。

昨年の冬。
そんな彼と再入社の話をしようと店で食事をしたのですが。
互いの親が作った店で酒を飲み、一緒に働こうと言う話をしている。
この事実があまりに不思議で飲んでる最中なんとも言えない気分になりました。

これまで彼は某有名な外食チェーンの店で10年ほど働いていましたが、働いていて「楽しい」と感じることが少なく、どうしてもひごの屋が忘れられなかった、と言ってくれました。

20年前。18才の彼はそれはそれは世間知らずでどーしょうもなかった、と聞いていますw
ですが、僕の中でその不安は昨年二人で酒を飲んだ時になくなりました。今の彼は別人だと思っています。18年かけて頼りになるオトコになって帰ってきました。

まだ同じ店にたったことはありませんが、その時が来たら。互いの両親はどう感じるでしょうかね。 

恐らく明日、僕と健太は本店に立つことになりそうです。
僕はどう感じるのでしょうか。
ちょっと楽しみです。