飲食店をやってます。

美味いモノ作って売ってりゃ客は来るし儲かる。そんな時代はとっくにおわりました。お店を運営していく中で思っている事を書いています。たまに全然関係ない事も書きます。笑

万歩計つけてます。



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これホールスタッフが使っている万歩計。ウチの3店舗のホールスタッフ全員(と僕)が万歩計を付けています。
もちろん店長も全員付けています。
こっち↓は僕のヤツ。
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もう1ヶ月くらいかな?使っているのでちょっと汚れていますが、、、なんでこんな事を、と思われる方も多いかと思います。 
皆さん回転寿司とか行きませんか?
チェーンの居酒屋さんでもいいです。

テーブルにタッチパネルが備え付けてあって、それでオーダー出来る。
便利ですよね〜。
でっかい声で「すいませーん」ってやらなくていいんですから。

アレを導入するお店は客単価が上がり、売上が上がるらしいです。
羨ましい(笑)。

なんで客単価が上がるのか。
タッチパネルが無い時は。
先ほど書いた様に「すいませーん」とやっていたんです。
けっこう面倒くさいですよね。気を使うし。
で、次にスタッフが近くを通ったら頼もう、なんて思って談笑しながら待つわけですが、
ついつい話に夢中になっちゃって、結局注文したのは随分後になってからだった、とか。

そもそもスタッフが全然近くに来てくれない、とか。
そう言う経験は皆さんあると思います。

タッチパネルがそれを解消してくれたんですね。
頼みたいと思った時に注文できる。

つまりお客さん達が注文し損ねる事がなくなったのです。

食べたいもの、飲みたいものを全て注文するようになったのでタッチパネルを導入したお店は売り上げが上がるのです。
さらに言えばそのせいでホールスタッフは注文を受ける必要がなくなり、出来た料理をもっていく、もしくは空いたテーブルをリセットするだけになるので必要人員が減るわけです。回転寿司なんて料理をもっていく事すら自動化したシステムですよね。

人件費が下がり、客単価が上がる。お客さんもストレスが無くなる。良いことだらけです。
導入には大きなお金がかかるでしょうが長期的には回収できると言う事だと思います。

で、話は戻りますが僕たちのお店。
少なくとも今の段階では導入の予定はありません。
これだけ良いことづくめのタッチパネルのシステムですが、一つだけ消失するものがあります。
体温です。

タッチパネルでお客さんが注文し、厨房で作ったモノを人か機械がもってくる。
それって物販ではありませんか?
アマゾンで通販をしているようです(笑)。 
僕たちのお店は、飲食店。接客業だと思っています。
如何に気持ちよく時間を過ごして貰えるか。
そこに人の体温は必要不可欠だと思っています。
じゃあどうするか。
タッチパネルが実現している「お客さんが頼みたいときに頼める環境」を人力で準備したいと思いました
ホールスタッフには全てのテーブルの近くを回遊するように動き回って、お客さんの「注文したい瞬間」に近くにいて上げられるようにして欲しい。
所定の場所に立ち止まっているのでは無く、やるべき事が一段落したらまた担当のエリアを一回り。
何をするでもなく、来たるべき時のために動き回る。 ウロウロする。
そうしているウチにテーブル上で開いたお皿を見つけたら下げてあげましょう。
灰皿が汚れていたら交換してあげましょう。
そんな作業の中で、話に夢中になっていたお客さんが我に返り、
「そうだ。じゃあ生のおかわりちょうだいよ」なんて事もあるかもしれません。
実際、灰皿を交換しているとついでのようにオーダーをくださるお客様はたくさんいらっしゃいます。

もちろん効率は悪いし、全テーブルに常駐しているタッチパネルにはかないません。
でもそう言う他愛ないやり取り自体に大きな価値があると思うのです。

で、その回遊しようぜ、と言うのを数値化するのが万歩計です。
実は今回導入した万歩計。bluetoothでパソコンと繋がり、リアルタイムにデータを転送してくれます。
店のパソコンでは全店舗の店長と同店のスタッフそれぞれが1日平均何歩歩いているかを観ることが出来る様になっています。

僕のスマホやPCでは全員の歩数がチェックできます。
1日の終わりには僕の所に全アカウントからメールが来ます。
それを見て、誰々は歩数が少ないから、もっと歩け!なんて言うつもりはあまりなく。
やっぱりあんまり少ない歩数を晒したくない、と言う心理が働き、もっと回遊しようと思ってくれればそれで良いと思っています。

各店のパソコンでも全店のスタッフの歩数がチェックできるのでゲーミフィケーション的な側面も少しだけ期待しています。

いつもお客さんの近くにいて欲しい。
機械にはかなわないけど、それを補う、機械には「提供できないモノ」を提供出来るハズだ、と思っています