飲食店をやってます。

美味いモノ作って売ってりゃ客は来るし儲かる。そんな時代はとっくにおわりました。お店を運営していく中で思っている事を書いています。たまに全然関係ない事も書きます。笑

飲食店の原価や商売の構造について思う事。



飲食業の原価云々って話になるといつも思うのですが。

食材費と人件費が飲食店の2大出費なんですよね。 あと家賃かな。ウチは青山にあるしw

でね。
コスパが良い店」とうたわれているお店も別に慈善事業としてやってるわけじゃないので当然利益が上がっている訳です。

どこで?ってお話になるのですが、それは単純な話で、出費のパーセンテージをどう振るか、と言う事だと思うのです。

凄い高品質な料理を出すけど、オーナー一人でやってる、とか立ち食いだ、とか。
こう言うお店は食材にパーセントを振ってる。
その分狭い物件で家賃が安いとか、人件費がかからないとか。それを仕入れに振ってる訳ですね。
立ち食いだと滞在時間が短くなるから薄利多売がしやすくなる、とかね。

キャバクラは綺麗なおねーちゃんが接客してくれるけどつまみは乾き物。
こっちは人件費に振ってるわけですね。
食材やドリンクにお金をかけない分、内装やおねーちゃんにお金をかけてるわけです。

ちなみにドリンクバーとかビュッフェスタイルも人件費を削ってる訳です。
人件費を安くした分値段を下げる。

セルフのお店なんかだと同業者のサガなのかも知れませんが、その辺が見え隠れしてしまうのでたまに思うんですよね。
「あんたもウチのホールとして働きなよ。ドリンク作って運びなよ。働いた給料分は飲食代から引いとくから」
って言われている気分になるんですよw

安くて気楽だしありがたいと思うんですけど。

その辺のトレードオフな部分を楽しめればいいなと思うのですが、飲食店は食事するだけの場所ではない、と僕は思っているんですよね。

友人、仲間、家族、恋人と時間を共有する場所。

立ち食いとか、セルフのお店は必要だし、少しでも美味しいものを安く、と言う創意工夫の結果だと思うので素晴らしいと思っているのですが。
同時にあくまでもイレギュラーと言うか、マイノリティであって欲しい、といつも思っています。

それが普通になってしまうと「人と時間を共有する」と言うとても大きな外食する動機が薄くなってしまう。

食べるためだけ。胃袋を満たすためだけの場所じゃないと思うのです。

それじゃあね。
寂しいじゃないですか。やっぱりテーブル囲んでワイワイやりたいじゃないですか。
むしろそれが最大の動機であって欲しいんですよね。 
「じゃーみんなで行きますか!」っていう。
そのためにはテーブル欲しいじゃないですか。 
ドリンクお代わりの度に席を立つからいつも誰かいない、なんてのはのはいやじゃないですか。

もちろんそれを楽しい時間にするには料理が美味しいに越したことはないわけですから僕たちもそこは頑張らにゃいかんと思っていますから料理はどうでもいいなんて言うお話じゃないんです。

でも最近のそう言うお店のブームみたいなモノを見かけると、ちょっと複雑な気分になるのです。