飲食店をやってます。

美味いモノ作って売ってりゃ客は来るし儲かる。そんな時代はとっくにおわりました。お店を運営していく中で思っている事を書いています。たまに全然関係ない事も書きます。笑

表参道店の改修について

オフィシャルでご案内したのですが、ひごの屋表参道店は年内の営業を終えるとすぐに改修工事に入ります。再開は1月の20日以降になる予定ですので3週間以上の大工事です。

 

その事についてたらたらと書いておこうと思います。

と言うのもある方から飲食店でこう言うタイプの改修工事は意外と珍しい、と指摘されたんです。

僕にとっては必然と言いますか。という事で後から自分が読み返せるように、と言う目的も含めて書いておこうと思ったのでした。

テキストばかりのつまらないポストになると思いますw

 

先に書いておきますが、今回の改修工事は厨房のみで、ホールは殆ど触りません。
ホールは厨房を改修する間に一時的に機材を逃がす場所に使われます。
これが珍しいみたいなんですね。特にトラブルが起こった訳でもないのに。

 

当店はお陰様で今年の初旬に50周年を迎えました。

今回の改修はこの大きな節目に手直しする場所はちゃんと手直ししよう、と社長が言い出したのが発端でした。

  恐らく社長はホールの壁紙の張り替えテーブルの交換などをイメージしていたのだと思いますが、僕がいの一番に厨房を作り直そう、と提案しました。

  元来、厨房と言うのは初めに一度作ってしまうとあまり手直ししない場所です。なぜかと言うと、ちゃんとした商品を提供する事が出来る限りお客さんにはそれ程影響がない場所で、お金をかけた割には気づかない人も少なくないような場所なので、
  同じお金をかけるのならホールの壁やテーブル、食器などなどにかけた方がお客さんにも気づいてもらってプラスの影響がある。そう考えるのが自然だからです。
当店もそう考え今に至るわけでして、当店もこれまで何度かの改修、改装をしていますが、それはホールを対象にしたものでした。
  結果、厨房はほぼ変わる事なく何十年も使い続けています。当然劣化して交換や修理の必要がある場合は補修しますし、冷蔵庫などが故障して交換する事はあります。その場合、基本的には壊れたものと同じ寸法のモノを置き換えると言うケースがほどんどです。
同じサイズが手に入らない時はなんとか他を整理したりして置き場所を確保する。
そんなツギハギを何十年も繰り返した結果。単純に言うと凄く使いにくい状態になってしまっている訳です。これらの変化は何年かに一度、すこーしずつ進んでいきます。日々営業をしていると特に違和感も感じません。

当然、30年前と今では商品も違うしオペレーションも違います。

 

今回の改修ではらのギャップを埋め、今のオペレーションや商品に最適な厨房に作り直すのが1番の目的でした。

もちろん劣化した部分を直し、衛生面、安全面等々を改善する事も大きな目的ではありすが。

 

厨房をゼロから作り直そうと思いました。白紙のキャンバスに絵を描くように。

とは言え、厨房の形や面積、天井の高さ等々の制約があるのでやりたい放題という分けには行きません。

作り直しには厨房のレイアウトデザインのプロの方に入っていただき、アドバイスを貰いながら作り込んでいきました。

我々が不満に思っていることと、元々厨房が持つ面積等の制約を踏まえ最適な解決方法を模索していく、と言う感じですね。

 

現状、商品や接客に関してはたくさん課題はあるものの、向いている方向は間違っていないと信じています。だからこそ、目指すものを実現するには厨房が足かせになっている、とずっと前から感じていたんですね。

今のオペレーションに合わせ、スタッフ間の導線を意識して効率的に作業が出来る厨房にしたかったのです。それには何かを置き換える、新しいなにかを導入する、などと言ったミクロな変化ではダメなんです。白紙のキャンパスに絵を描くように厨房を作り直す必要がありました。

 

そうする事で商品の提供スピードがあがり、品質が上がる訳で、それはお客さんの満足に繋がるハズです。

また飲食業界は今後、今まで以上に人材の確保に苦労するようになると考えています。今は何とか人がいますが、店を運営する為に必要な最低人数のハードルを下げる為にも無駄のないスマートな厨房にしたいと思っていました。

厨房スタッフの負担が軽くなった上で今の人数で挑むことで余裕が生まれ、スピードが上がり、品質も上がる。そんな厨房を作りたいと思いました。お客さんの満足に繋がるのは見た目だけじゃない。

 

むしろ、内装や器が気に入ってウチのお店に来てくれている人がどれだけいるか。

ほとんどいないんじゃないでしょうか。

きっと様々な要因から醸成される「居心地の良さ」や鳥の料理を目当てに来てくれているんだと思っています。

 

だったらお金をかけるのは厨房だろう。

そう言う結論ですね。

 

   ちなみに実はこの考えにいたる、と言うか行動に移そうと思うに至るきっかけは本年春頃にもポストした、新店の話が飛んだ時に感じた「実際のところはわからないが、店のクオリティが低いから断られたと解釈して、既存店の磨き直しをしよう」と言う気持ちでした。

  ただヘコんでるだけじゃ勿体無い。バネにしたい。そんな気持ちからです。

 

http://www.higonoya.tokyo/entry/2017/05/10/073228

 

正直なところこれがどれだけの効果を生むのかはわかりません。

どうなるのかを体感したいと思います。

 

という事で1月の下旬にはホールは古いが厨房がピカピカと言う珍しい状態で営業再開いたしますw

ご興味がある方はぜひ見に来て下さいね♪w